世界の秘密

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 (61〜)



  61.神の水


以前、「予言の解釈−8.聖母マリアの出現と警告」で少しご紹介したフランスのルールドについて、大聖堂が建立されるきっかけとなった事件を少し詳しくご説明しましょう。

『ルールドの奇跡』(久保田八郎:著、学研:1984年刊)という本によると、ピレネー山脈のふもと、ルールド(Lourdes)という田舎町で、1858年2月11日、ベルナデット(Bernadette)という名の少女に聖母マリアが出現しました。場所は、町の近くを流れるガーブ川の岸辺にあるマッサビエユの洞窟です。

その後、ベルナデットはこの洞窟に毎日通うようになりますが、2月25日の朝、聖母マリアに命じられて彼女が洞窟の地面を手で掘ったところ、泉が湧きだし、3月1日には、2年前から右腕の上腕神経が麻痺していた婦人がこの泉の水に手を浸したところ、病気が瞬時に治るという奇跡が起こったそうです。

ルールド

【奇跡の泉が湧きだしたルールド・マッサビエユの洞窟】 (画像は、『るゝどの姫君』より)

また、『るゝどの姫君』(ヘンリ・ラッセル:著、天主公教会:1892年刊)という本によると、熱病で息が絶えた幼児を、母親がルールドの泉の水に15分間沈めたところ、幼児が息を吹き返して治癒するという奇跡も起こったそうです。この本には、他にも医師が奇跡と認めた治癒例が数多く載っています。

そして、前述の『ルールドの奇跡』によると、こういった奇跡はその後も現代まで継続して起こっているそうですから、ルールドの泉の水は、まさに「神の水」とよぶにふさわしい、人類救済の聖水であると言うことができるでしょう。

ところで、『人間の意思』(芹沢光治良:著、新潮社:1990年刊)という本にも、「神の水」の話が出てきます。著者の芹沢先生は、若い頃、フランス留学中に急病で危篤に陥った際に、ルールドの水で一命をとりとめたことがあったのですが、晩年には、「神の水」を自分でつくることができるようになったそうです。

この本によると、芹沢先生は、1986年かそれ以前から、毎日「神の水」を自分でつくって飲むようになったそうです。また、具合の悪い友人や知人たちに「神の水」を無償で配り、それによって、がんやその他の難病に苦しむ多くの人が助かったそうです。

なお、この本は小説なので、これが事実かどうか疑問に思う人もおられるでしょうが、私は、芹沢先生の人生そのものが、「神の水」による奇跡が事実であったことを証明していると考えています。

というのも、先生は1896年生まれで、晩年にはかなり衰弱していた時期もあったそうです。それが、89歳の頃から急に元気になり、1993年に96歳で亡くなられるまで、毎年一冊書下ろし長編作品を発表されました。その創作活動のパワーの源がこの「神の水」だったと考えれば、納得がいくからです。

水は、生命活動を支える大切な存在ですが、それに何らかの神秘的な要素が加わることによって、難病をも癒す万能薬に変わるというのは驚きです。我々は、水の素晴らしさについて、もっともっと理解を深める必要がありそうですね。 (2016年12月31日)


 

  62.日本の霊泉


ルールドの奇跡の泉ほどではないかもしれませんが、日本には、霊泉と称えられる、とても治療効果の高い温泉が各地にあります。温泉というと、娯楽を連想する人も多いと思いますが、全国各地から湯治客が集まる霊泉には、西洋医学がはるかに及ばない不思議な効能が秘められています。

私がこう断言できるのは、私自身、整形外科では治らなかった坐骨神経痛が、栃木県の奥塩原にある新湯温泉のむじなの湯で完治したことがあるからです。ちなみに、私の場合は、重症ではなかったこともあり、3泊4日という短期間の湯治で大いに改善し、その後、4泊5日の湯治で完治しました。

数ある霊泉の代表例として、ここでは草津温泉をご紹介します。『草津鉱泉療法』(下屋学:著、1907年刊)という本によると、草津温泉の適応病に対する効果は、「絶大にして遠く医療の及ばざる所あり」と書かれています。なお、著者の下屋氏は地元の医師で、この本に多くの治癒例を記録しています。

草津温泉の泉質は、金属がたちまち変色するほどの強い酸性の硫黄泉であり、そのため、数十回入浴を繰り返すと、皮膚がただれてくるそうです。

ただし、これはむしろ歓迎すべき症状で、ただれた部分から体内の悪いものが出るため、次第に病状が改善し、入浴患者は気分爽快になるそうです。そして、この特徴を積極的に利用するため、湯治の期間は6〜7週間程度を見込む必要があるそうです。

草津温泉の効能は、防腐・消毒作用が強く、梅毒に特効があり(特に第二期)、皮膚病、リウマチ、神経衰弱、痔疾などにも有効で、また、慢性の病気全般に効果があるそうです。なお、リウマチや神経痛に対しては、入浴するより、下の図のような蒸気浴の方が効果が大きいそうです。

蒸気浴

【蒸気浴をするための装置】 (画像は、『草津鉱泉療法』より)

梅毒は、ヒ素剤(サルバルサン)や抗生物質(ペニシリン)がなかった当時(明治40年)には、根治させることが困難な病気だったわけですが、それが2か月足らず温泉に入浴するだけで完治したというのは驚きですね。

また、当時の梅毒治療薬は、毒性の強い水銀剤で、そのため水銀中毒を起こす場合があったそうですが、草津温泉に入浴すると薬毒も排泄されるため、湯治後は水銀中毒も軽快したそうです。

しかも、草津温泉は消毒作用が強いため、梅毒やその他の伝染病が他人に感染することはなかったそうです。ちなみに、下屋医師は、数百例の手術において、傷口の消毒に草津温泉の水を用い、化膿することがなく、しかも術後の経過が良好だったことを実際に体験しているそうです。

なお、草津温泉は効力が強い分、禁忌症に対する注意が必要で、脚気、肺結核、全身浮腫、心臓病、急性病などの患者は入浴してはいけないそうです。また、当然のことですが、妊婦・老人・幼児や、衰弱した人、脳の血管に問題がある人などが入浴する場合には、特別な注意が必要だそうです。

最後に、特効のある温泉の見つけ方をご紹介しましょう。

例えば、神経痛を治したい場合は、インターネットで「湯治 "神経痛に特効"」というキーワードで検索し、最初のページだけでなく、10ページ程度は根気よく情報を調べれば、意外と身近な場所で素晴らしい温泉を発見できるかもしれません。

私の場合も、インターネットで候補となる温泉をいくつか発見し、東京から「もみじ号」という高速バスで直行できる塩原に決めました。

また、全国の湯治場を紹介しているガイドブックを買うのも手っ取り早い方法だと思います。他には、国民保養温泉地に指定されている温泉をピックアップして、効能について直接問い合わせてみるのもよいかもしれません。もし、長期滞在する場合は、湯治客用の安い宿があるかどうかも重要ですね。

温泉というと、効能があるのが当たり前のように思われますが、よく考えてみると、西洋医学では治らない病気が治るというのはとても不思議なことです。日本は、数多くの霊泉に恵まれているので、ぜひ活用していただきたいと思います。 (2017年2月25日)


 

 63.土壌療法


温泉に薬効があるのは、温熱作用も考えられますが、自宅の風呂で難病が治ったという話は聞いたことがないので、地中のミネラルなどの有効成分がお湯に溶け込んで薬湯となったためと考えるのが正しいようです。したがって、大地には本質的に病気を治す不思議な力があるようです。

そして、直接的に土や泥、砂などを用いる治療法も存在します。それらは、土(つち)療法とか、泥(どろ)療法、砂浴(しゃよく)療法などとよばれることもありますが、ここでは、土、泥、砂を総称する意味で、土壌(どじょう)療法とよぶことにします。

近代において、この土壌療法に関する知識を広めたのは、ドイツ人のアドルフ・ユスト(Adolf Just)という人物のようです。

『最新健康法全書』(西川光次郎:著、丙午出版社:1916年刊)という本によると、この人は、多年病弱で、あらゆる医薬が無効だったそうですが、自然のままの単純な生活によって健康体となり、真の健康回復法を人々に教えるために療養所を開いたのだそうです。

その療養所には、少人数で泊まれる小屋がたくさんあり、そこでは、空気浴、日光浴、砂浴、冷水浴をすることができたそうです。食事は、果実が主で、バター、牛乳、黒パン、野菜を補助的に用いたそうです。また、薬は一切使用しなかったのですが、病弱な人も、そこに宿泊してしばらくすると見違えるほど健康になったそうです。

さて、土壌療法の一般的な効能ですが、『最新健康法全書』によると、アドルフ・ユスト氏は、次のようなことを自分の身で実験し、療養所にきた数千人の患者にも試みてことごとく成功したそうです。

1. 傷や腫物(はれもの)、一切の皮膚病は、土を冷水で湿らせて塗っておけば治る。
 
2. 一切の熱病は、身体に泥を塗ると熱が下がる。
 
3.
 
肺が悪い場合は肺の上に、心臓が悪い場合は心臓の上に、胃が悪い場合は胃の上に、また、ヂフテリアの場合は首の周囲に泥を塗るとよい。
 
4. 頭痛の場合はうなじに泥を塗るとよい。
 
5.
 
眼や耳に痛みがある場合にも、眼や耳に泥を塗ると痛みがすぐに治る。腹に泥を塗ると、下腹部の病気によい。
 
6. 夏なら、裸体で土の上に毛布をかぶって寝ると、大変身体の活力が増える。
 
7. 毎日30分、患者を仰臥させて首から下を土に埋めると、患者は日に日に元気になった。
 
8.
 
足が冷えて困るという人を、毎日30分か1時間ずつはだしで土の上で運動させ、冷水で足を洗わせたところ、足が冷えなくなった。この療法は神経衰弱にも有効だった。

日本でも、土壌療法については古くから知られていたようで、『斯くして全快すべき肺自己療養法』(上野実雄:著、天然療養社:1918年刊)という本によると、淡路島の近海では、漁師がフグの中毒で苦しむときは、海岸の砂を掘って、首から下を数時間生き埋めにすることによって再生したそうです。

そして、著者の上野実雄氏は、土や砂を使った療法を絶賛して、「土は我等の外科医であり、又内科医である。」と語っています。なお、上野氏は肺結核だったようですが、砂浴が唯一の解熱法だったそうで、夏も冬も海岸の白砂に裸体で身をうずめたそうです。

また、上野氏は、マムシに咬まれた場合は、泥土に突っ込んでいれば、1〜2時間でその毒が除かれると書いていますが、『最新健康法全書』にも、アドルフ・ユスト氏が読んだ新聞記事として、蛇に咬まれて医者から見放された女性が、土中に首から下を埋めたところ、6時間で治ったことが紹介されています。

さらに、『療病治心前期講習録 精常活用篇 中巻ノ一』(別所彰善:著、精常院:1926年刊)という本には、大正13年11月1日に、兵庫県のTK氏が、武庫川の近くで右足をマムシに咬まれ、翌日、医者に薬をもらったが悪化するばかりで、ついに著者の別所彰善氏に相談が持ち込まれたので、土壌療法を勧めたことが書かれています。

それによると、11月5日には、TK氏の下肢(すね)全部が腫(は)れて、ただれた各所から膿が出ている状態だったそうですが、庭先に穴を掘って、右足をそのまま土中に2時間ほど埋めたところ、翌日には腫れが著しく減退し、分泌物も減少して、全身の痛みも軽快したそうです。

TK氏は、その後も土壌療法を継続した結果、11月17日には少し歩けるようになり、21日目からは職場に復帰し、一か月ほどで全く快癒したそうです。当時は、マムシに咬まれて死ぬことは珍しくなかったそうですが、手遅れの人でも完治するとは、土壌の解毒作用は想像以上に強力なようですね。

実は私も以前、猪苗代湖の砂浜で砂浴を体験したことがあります。特に病気だったわけではないのですが、あまりの気持ちのよさに、その後もう一回体験しに行きました。傷口に泥を塗るのはちょっと勇気がいりそうですが、自分自身の体験から、土や砂が身体を健康にすることは間違いないと思います。

現代人は、「土=不潔」であると洗脳されているので、土から離れた生活を送っている人が多いと思いますが、土には生命を育む偉大な力があります。たまには自宅の庭や公園ではだしになって、大地の恵みを味わってみてはいかがでしょうか? (2017年3月18日)


 

 64.催眠療法


催眠術は、18世紀後半に神秘的な治癒現象としてヨーロッパで注目を集め、19世紀には科学的に研究されるようになりました。日本では、明治時代に催眠術が広く紹介されるようになり、国会図書館デジタルコレクションで検索すると、明治36年(1903年)には、催眠術に関する本が13冊も出版されています。

『学理応用 催眠術自在』(竹内楠三:著、大学館:1903年刊)という本によると、催眠術(Hypnotism)とは、施術者が被験者に暗示(Suggestion)を与えることにより、被験者の行動や感覚を支配する技術で、当初は「動物磁気」(Animal Magnetism)という物理的な存在が原因だと考えられていたそうですが、19世紀になってから、次第に被験者の主観が原因であると考えられるようになっていったそうです。

ちなみに、この動物磁気説は一時期非常に有力だったそうで、調べてみると、哲学者として有名なショーペンハウエルも、『天然の意志』(シヨペンハウエル:著、大雄閣:1925年刊)という本のなかで動物磁気について論じています。

ここで、『学理応用 催眠術自在』に書かれている催眠現象の特徴を列挙すると、次のようになります。

1.随意筋の操作
 
  施術者が被験者に「あなたはもう動けない」と言うと、被験者がどんなに頑張っても身体を動かすことができなくなる。時刻を指定して特定の行動を命じることも可能。
 
2.物真似
 
  施術者と被験者が互いにしっかりと見つめ合ったまましばらくすると、被験者は施術者の行動を真似(まね)るようになる。
 
3.不随状態
 
  施術者が被験者の手をとって高く上げておくと、何も言葉をかけなくても被験者の手が上がったままになる。
 
4.硬直状態
 
  施術者が被験者の全身を棒状に真直ぐにし、頭と足を台の上に載せて橋のようにすると、人が被験者の腹部に立っても身体が曲がらなくなる。
 
    催眠術

【催眠術により身体が硬直した状態】 (画像は、『学理応用 催眠術自在』より)
 
5.幻覚と錯覚
 
  その場に誰もいないのに人がいると思わせたり(幻覚)、ハンカチを子犬だと思わせる(錯覚)ことができる。これは、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、痛覚等でも可能。
 
6.感覚の鋭敏化
 
  被験者の感覚は極めて鋭敏になるため、目隠しをしたまま障害物を避けて歩いたり、人の所持品を嗅覚だけで識別して所有者を正しく特定することができる。
 
7.身体組織の変化
 
  被験者の皮膚に何かを押しつけて、「あなたの皮膚に火傷(やけど)ができた」と言うと、押しつけた物体の形どおりの水ぶくれができる。
 
8.人格変換
 
  年齢を変化させたり、別の人物(あるいは、動物や植物、物体)であると思い込ませることによって、被験者の人格を別のものに変換することができる。
 
9.その他の作用
 
  催眠術によって、被験者の食欲、性欲、欲望や感情(愛憎、憂鬱、怒り、恐怖等)、腸の蠕動(ぜんどう)運動、体温、心拍数、呼吸なども制御することができる。

なお、「6.感覚の鋭敏化」に関しては、顕微鏡を使わなければ見えないはずの直径0.06ミリメートルの細胞が見えたり、厚い不透明なトランプの札を裏面から識別できたとする報告もあるそうで、非常に不思議です。ひょっとすると我々は、本来持っている能力の数パーセントも使っていないのかもしれませんね。

また、催眠術にかかりやすい人の特徴は、心が円満に発達していて、その働きが健全で、知力が進んでいて、意志が強固であることだそうです。逆に、心の発育が不完全で、その働きが病的で、感動が過敏で、知力が幼稚で、意志の薄弱な人は催眠術にかかりにくいそうです。

さて、前置きが長くなりましたが、催眠術は古くから病気の治療に用いられてきたそうで、催眠術による治療は催眠療法(Hypnotherapy)とよばれます。催眠療法の主な適応症は、機能的な疾病、すなわち、組織の損傷が発見されず、ただ機能の上においてのみ症状が現われている疾病だそうです。

具体的には、解剖的原因のない(つまり、原因不明の)疼痛(とうつう=頭痛や神経痛など)、不眠症、月経不順、食欲の欠乏(拒食症?)、妊娠中の嘔吐、アルコール中毒、ニコチン中毒、神経性の呼吸困難、吃(ども)り、慢性便秘、寝小便(夜尿症)などです。

精神病に関しては、心の問題なので催眠療法が有効な気もしますが、そもそも精神病の人には催眠術をかけることが極めて困難であるため、催眠療法は適用できないそうです。また、子どもの場合も、3歳以下だと決して催眠術にかからず、大抵8歳以上にならないと催眠術を施すことができないそうです。

一方、直接病気を治すのではなく、手術の際に催眠術で痛みを感じないようにする治療法もあります。『新撰催眠療法』(石田昇:著、南江堂書店:1917年刊)という本に、ベルリンの歯科医Richard Hummel氏が報告した無痛手術のことが書かれているのでご紹介しましょう。

一例目は、言語による暗示で、催眠状態にはなっていなかったようですが、30歳の男性の下顎の小臼歯を抜歯する際に、「ここに最新最良の薬剤があるので、無痛で抜歯ができます」と言って、蒸留水を塗布、および注射し、2分後に抜歯したところ、患者は少しも痛みを感じなかったそうです。

これは、薬の効力を調べる際に使われる偽薬(ぎやく=ニセモノの薬、プラセボ、またはプラシーボ)と同じことだと考えられますから、偽薬が効果を発揮するのも、ある意味、催眠術のせいと言っていいのかもしれませんね。

二例目は、本格的な催眠術で、36歳の女性の第二臼歯の虫歯が悪化して下顎骨炎と顎下腺腫脹を起こし、骨膜の化膿が進行していたそうですが、心臓弁膜症のため麻酔を使用することができず、本人の希望で催眠術をかけて手術を行なうことになったそうです。

そこで、あらかじめ催眠術の専門家に、「治療椅子にもたれかかり、Hummel先生が1から3まで数えると、すぐに眠りにつき、再び先生が起こしてくれるまで静かに眠ることができる」という後催眠(こうさいみん=覚醒後の行動を操作する催眠術)を数回施してもらったそうです。

そして、治療の際には、歯科医が1、2、3と数えると、患者はすぐに催眠状態になったので、完全に無感覚になることを暗示し、麻酔なしで無事に抜歯して患部の処置を終えることができたそうです。

催眠術によって無痛手術が可能になることは不思議ですが、これは、痛みというものが実在しておらず、自己防衛的な心の働きとして観念的につくり出されたものだからなのでしょうね。また、「9.不死身の男」でご紹介した関羽や腕の喜三郎は、何度も修羅場を潜り抜けることによって、痛覚を自分で制御することができるようになったのかもしれませんね。 (2017年4月23日)


 

 65.気合療法


かつて、日本に、釈迦の再来とかキリストの再来とまで称えられた霊術師がいました。それは、明治11年(西暦1878年)12月2日生まれの「濱口熊嶽」(はまぐち ゆうがく)という人物で、厳しい修行によって真言三密の秘法を17歳で修得し、数多くの難病人を気合もろともたちどころに治療したそうです。

この熊嶽師の半生を報じた新聞記事が、『東京大阪八大新聞連載 濱口熊嶽記事録』(大日本天命学院本部:1933年刊)という本にまとめられているので、少しご紹介しましょう。

釈迦の再来

【濱口熊嶽師の驚異的な霊的治癒能力について伝える新聞記事の紹介】 (画像は、『東京大阪八大新聞連載浜口熊岳記事録』より)

それよると、熊嶽師は三重県の出身で、9歳で小学校を退学になったほど勉学が苦手だったそうですが、13歳のときに實川(じつかわ)上人という修験者に見込まれ、14歳から弟子として熊野の那智の滝で修業を始めたそうです。

熊嶽師は、17歳のときに實川上人から奥義を伝授されますが、その直後に上人が亡くなり、上人の身体は滝に落ちたそうです。熊嶽師は、上人を助けようとして、滝壺に降りる際に足を骨折したのですが、普段から習っていた九字を切ったところ、不思議にも骨折が治り、自分の超能力に気がついたそうです。

實川上人の死後、熊嶽師は山籠もりをやめて和歌山市に降りていったのですが、ある婦人が、娘が3年間も足腰が立たず寝たきりだという身の上話をしているのを偶然耳にし、その婦人の家に行って娘に同じ術を施したところ、娘は直ちに立って歩けるようになったそうです。

それをきっかけに、熊嶽師は病人を治すようになったのですが、時代は明治、文明開化の真っただ中ですから、まじないや祈祷(きとう)で病気が治るはずがないということで、警察に告発されること770回以上、法廷に立つこと47回に及んだそうです。

しかし、多くの証人が熊嶽師の施術によって治癒したことを証言し、さらに、実際に法廷で奇跡を起こすこともあったため、いずれも最終的に無罪か不起訴になったそうです。

治癒例としては、足が立たなくなった者が歩けるようになったり、目が見えなくなった者が見えるようになったり、耳が聞こえなくなった者が聞こえるようになったり、リウマチで動かなくなった手が動くようになったことが無数にあったそうで、こういった奇跡は確かにキリストを彷彿とさせますね。

また、歯痛や、母乳の出ない母親の治療はとても簡単だったそうです。もっとも、歯痛や母乳なら、催眠術でも何とかなりそうですが、熊嶽師は、歯を抜いたりホクロを落としたこともあったそうで、これらは催眠術では真似のできない奇跡でしょう。

抜歯の実例としては、明治36年に、神戸地方裁判所の太田判事が立ち合った、原田マサエ(14歳)という女子を被験者とした実験が紹介されているのですが、「(熊嶽師が)例の印字(九字)を切り、掛声の気合を五六回かけると、歯がポロリと落ちた。」と書かれているので、やはり奇跡的な治療だったようです。

なお、すべての病気が一瞬で治ったわけではなく、治るまでに15日かかったものや、なかには治らないものもあったそうです。ただし、熊嶽師がスゴイのは、どんな病人でも一目で病名を的中させ、治らない者には治らないと告げ、15日通えば治ると告げた者は必ず15日目に治癒したことです。

また、『濱口熊嶽之傳』(瀬端晴吉:著、1903年刊)という伝記が、熊嶽師がわずか24歳のときに出版されていることからも、この人がいかに偉大であったかが分かると思います。

濱口熊嶽

【気合療法によって数多くの難病人を救った濱口熊嶽師】 (画像は、『濱口熊嶽之傳』より)

熊嶽師の治療法の特徴は、大きな声で気合を発することだったため、この治療法は「気合療法」とよばれることが多かったのですが、本人は自分の治療法を「人身自由術」と名づけたそうです。これは、単に病気を治すのではなく、人々を煩悩の鎖から自由に解き放つことを意味しており、衆生済度を生涯実践した熊嶽師らしい発想ですね。 (2017年5月28日)


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不思議コラム 予言の解釈 日本の霊性 世界の危機 真理の探究

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