世界の秘密

不思議コラム 予言の解釈 日本の霊性 世界の危機 真理の探究

 (11〜20)



  11.祟り


最近、近代デジタルライブラリーで、『天狗の面』(田中貢太郎:著、春陽堂書店:1940年刊) という、実話怪談を133話も収めた面白い本を見つけたので、その中の1つ、「京都大学の祟地蔵」の前半をご紹介しましょう。

時は大正8年、場所は京都大学でのお話です。当時、大学では、農学部の動植物学の教室を建設するため、新たに土地を購入して工事をしていたのですが、ある日、土の中から石地蔵がたくさん出てきました。しかし、当時はすでに信仰心が失われていたようで、工事関係者はこれらをとても粗末に扱ってしまったそうです。

ところが、しばらくして工事請負人が急病でころりと死んでしまいます。そして、木造の洋館が完成すると、大工の棟梁が死に、続いて作業員の一人が死に、それから大学の建築部長と会計課長も死んだそうです。

工事の関係者が次々と死んでいったため、これは石地蔵の祟りに違いないという噂が広まり、ある人が霊能者に相談したところ、石地蔵と思っていたのは大日如来で、その祟りによって、このままではあと6人死ぬことになると告げられます。

そこで、この人は、動植物学教室の建設に尽力していた教授に相談を持ちかけたのですが、教授は鼻先で笑って相手にしてくれなかったそうです。しかし、その教授も、その後わずか数日の病気で死んでしまいます。

こうなると、もう誰も迷信だと笑っていられなくなり、他の教授や出入りの商人たちがお金を出し合って、農学部の構内の東南に2坪程の台場を築き、そこに石像を安置して厳かに祭典を執行し、毎年お盆の28日に例祭を行なうことになったので、その後は何事もなくなったというものです。

なお、インターネットで検索してみると、この場所は現在も存在していて、毎年8月27日・28日には供養が行なわれているそうです。

こういった、何かが祟る場所は日本中いたるところにあります。最も有名なのは、東京都千代田区大手町にある平将門公の首塚だと思いますが、他にも、兵庫県西宮市の県道のど真ん中にある岩や、茨城県日立市の県道のど真ん中にある杉の木(一本杉)など、祟りがあるため動かせないものが存在しています。

日立市の一本杉

【日立市の一本杉】 (画像は、「YouTube動画 茨城心霊ゾーン2013 File.1「本山の一本杉」」より)

他に、祟りによって多くの死人が出たとされるものとしては、JR中央本線甲斐大和駅近くの諏訪神社にある朴(ほう)の木が有名で、祟りがあるため、線路の上に伸びた枝を切ることもできないそうです。

以前、「日本の霊性−9.神界の仕組み」で、鎌倉八幡宮の御神木には神の眷族が多数ついていて、この木に暴行を加えるとたちどころに神罰が降るということをご紹介しましたが、ひょっとすると日立市の一本杉や諏訪神社の朴の木にも、神の眷族が宿っているのかもしれませんね。

いずれにしても、こういう場所に宿る霊は、ホテルに現われる幽霊などとは桁違いの霊力を持っているため、動かそうとすると死人が出るのだと思われます。くれぐれも、こういった場所に遊び半分で近寄らないようにしてください。 (2013年9月29日)


 

  12.長期の絶食者


やはり、近代デジタルライブラリーで見つけた、『幽冥界研究資料第二巻 靈怪談淵』(岡田建文:著、天行居:1926年刊)という本には、「驚くべき長期の絶食者」が紹介されています。

それによると、岐阜県武儀郡小瀬村(現在の関市)の「足立小菊」という女性が、大正初年のころ、約5か月もの間、米一粒、水一滴も摂らない絶対の絶食をして瀕死の状態になったため、病院に担ぎ込まれ、当時の医学界で大問題になったそうです。

また、山形県西田川郡稲生村字八日町(現在の鶴岡市)の「長南敏恵」という女性は、明治30年ごろに鶴岡の監獄に入れられた際に、けがらわしい監獄の飯は食わぬと決心して2週間何も口に入れなかったそうです。ちなみに、彼女は以前、神の命令で2年間の絶食をしたことがあったそうです。

余談ですが、この長南敏恵さんは、様々な奇跡を起こしたため、警察からヤマ師として告発され、裁判にかけられましたが、神戸の裁判所で、口に封印のされた10本の空のビール瓶に御神水を満たすという奇跡を起こし、無罪とされたそうです。

また、元禄時代には、相州(現在の神奈川県)の40歳の農家の女性が、足掛け3年間もの絶食をして大評判になったそうです。この女性の場合は、何となく食べるのが嫌になったのだそうですが、時々白湯(さゆ)を飲むだけなのに、健康状態は健常者とまったく変わらなかったそうです。

しかし、世界には、さらに長期の絶食を続けている人がいるようです。2010年5月10日のAFPBBNewsの報道によると、70年前(1940年)から食べ物も飲み物も摂取していないとされる、当時83歳のインド人、プララド・ジャニ氏(Mr. Prahlad Jani)が、科学者らによる15日間の検証を受けたそうです。

これは、インド国防研究開発機構「DRDO(Defence Research and Development Organisation)」が、彼をインド西部の都市アーメダバード(Ahmedabad)の病院に缶詰めにして行なった実験で、科学者たちが15日間24時間体制でチェックした結果、彼がその期間中一度も飲食せず、トイレにも行かなかったことを確認したというものです。(参考:AFPBBNewsの記事

プララド・ジャニ氏

【70年以上絶食のプララド・ジャニ氏】 (画像は、「YouTube動画 Prahlad Jani breatharian.flv」より)

これには続報もあります。テレビ東京が2010年10月1日に放送した「世界7大ミステリー 人体の奇跡スペシャル2」では、この実験の総責任者である生理学関連研究施設「DIPAS(Defence Institute of Physiology and Allied Sciences)」のソムナース・シンク氏を取材していて、彼は、35人の医師や科学者が監視カメラも使って確認した結果、プララド・ジャニ氏が15日間飲まず食わずで排せつもしなかったことを認め、科学では説明できないと証言していました。

よく、仙人は霞を食って生きているなどと言いますが、どうやらこれは本当だったようですね。我々凡人には、食べる楽しみを失うことのほうが辛いような気もしますが、長期絶食の秘法が存在することは間違いないようです。 (2013年10月20日)


 

  13.幽体離脱


以前、「真理の探究−12.祈りの力」でご紹介した『死後の世界』という本によると、人間は毎晩睡眠中に幽体が肉体を離れて幽界に行くそうで、幽体(アストラル体)は、本来自由に肉体を離れることができるようです。夢というのは、頭の中の空想ももちろんあるのでしょうが、幽界における体験を記憶していることもあるそうです。

幽体が肉体を離れることを幽体離脱と言いますが、これを意識的に行なうことができる人もいるようです。近代デジタルライブラリーで見つけた『内外珍談集』(鏡陽学人:編、靖献社:1915年刊)という本には、「遊魂術」という、意識的に幽体離脱してこの世界を自由に移動する話が載っていたのでご紹介しましょう。

それは、著者が明治43年12月ごろに聞いた話で、東京市京橋区(現在の東京都中央区)新肴(さかな)町の弁護士、「齋藤正毅」という男性と、その姉「鈴木セキ」とその兄嫁の「高橋ウタ」という女性の計3名が、よく幽体離脱していたそうです。

齋藤弁護士によると、幽体離脱というのは、精神を統一したときに起こる発作で、なかなか骨が折れるものだそうです。移動できる距離は人にもよりますが、高橋ウタさんは、秋田から東京まで来たことがあるそうです。ただし、瞬間移動ができるわけではなく、空高く舞い上がって飛んでくるのだそうです。

なお、幽体離脱が終わると、汗をびっしょりかいていて、非常に喉の渇きを覚えるそうです。また、幽体離脱の最中、目的地に着いたときに水がめを探して水を飲むこともあるそうです。さらに、提灯(ちょうちん)の火を吹き消すような物理現象も起こせるそうです。

また、近所に行く場合は低く飛ぶそうですが、そうすると犬が吠えながら追いかけてくる場合があり、これはとても恐ろしいそうです。普通は、幽体離脱中の姿は人には見えないのですが、犬には見えるというのは興味深いですね。

また、高橋ウタさんが、他家に嫁いだ自分の娘に幽体離脱して会いに行ったところ、「火の玉が来た」と言って水を掛けられたことがあったそうで、人間には幽体が火の玉(発光体)として認識されることがあるようです。

似たような話は、前回ご紹介した『霊怪談淵』にもあります。それは「人魂を追撃す」という話で、東京府大森町に住む中村剛庵という医師が夜間に外出中、直径約30センチの青い火の玉を発見し、持っていたステッキで殴ったところ、近くの家に逃げ込んで見えなくなったのだそうです。

その後、往診の依頼があり、行ってみると火の玉が逃げ込んだ家で、結局、その家の主婦が外で遊んでいたら中村医師にステッキで肩を打たれ、そこが腫れてひどく痛むので医者をよんだことが判明したそうです。どうやら、彼女は無意識のうちに幽体離脱していたようです。ちなみに、中村医師は猛烈な物質論者だったのですが、この事件があってから宗教心を起こし、霊魂不滅論者になったそうです。

やはり『霊怪談淵』に収録されている「白昼に飛歩く抜首」という話には、但馬国城崎郡五荘村大字正法寺(現在の兵庫県豊岡市)で、明治初年に、婦人の頭部が道を転がり歩いているのを児童が見つけ、友だちを集めて追い回したことが書かれています。

結局、この頭部はある農家に飛び込んだのですが、その家の主婦が言うには、子どもたちに追い回される夢を見たそうです。どうやらこの主婦は、昼寝をしている間に頭の部分だけが幽体離脱してしまい、それを子どもに目撃されてしまったようです。

こうしてみると、世の中の心霊現象の中には、幽霊ではなく、生霊(生きている人の霊)が引き起こすケースも少なからずあるようです。また、小さい子どもは霊を見ることが可能だと言われていますが、最後のケースでは、子どもが霊視したのか、それとも幽体の頭部が物質化したのか、判断が難しいですね。

また、日本の妖怪「ろくろ首」は、首が長く伸びますが、ひょっとするとこれは想像上のもので、抜け首の現象を人が怖がるように脚色したのかもしれませんね。実際には、抜け首を起こした人の方が怖い思いをしているというのは、とても面白いと思います。 (2013年10月27日)


 

  14.コックリさん


以前、「8.最強の霊媒師」で、1848年に起きたフォックス姉妹の事件をきっかけに、交霊会の大ブームがアメリカ中に起こったことをご紹介しましたが、コックリさんは、このアメリカの交霊術が起源のようです。

『西洋奇術 狐狗狸怪談』(凌空野人:編、イーグル書房:1887年刊)という本によると、明治16年(1883年)にアメリカ留学から帰国した理学士・益田英作氏が、アメリカで調整した交霊術の器具を持ち帰ったのがコックリさんの始まりだそうです。

下の図がその器具ですが、直径約90センチ、高さ約70センチのテーブルです。どうやら、椅子に着席して使用したようです。このテーブルを3人以上で囲み、両手をテーブルの上にのせて、テーブルが傾く方向や回数、回転の方向などによって霊からのメッセージを解読したそうです。

日本で最初にコックリさんに使用された器具

【日本で最初にコックリさんに使用された器具】 (画像は、『西洋奇術 狐狗狸怪談』より)

これを日本に紹介した際、その器具の名称を尋ねられた益田氏は、「問えば告げる」という意味で「告理」(こくり)と名付けたそうです。その後、彼の友人数名が、明治17年に遊郭「新吉原」の引手茶屋「東屋」において芸妓たちに「告理」を実演して見せたところ、これが遊郭内で大流行したのだそうです。

なお、Wikipediaには、伊豆半島沖に漂着したアメリカの船員が伝えたと書かれていますが、この本によるとそれは甚だしい誤りだそうです。

その後、「告理」が広まるうちに、発音が訛って「コックリ」となり、誰かがこれに「狐狗狸」という漢字を当てたため一層奇異な印象を与え、この本が出版された明治20年頃には、コックリさんは日本中で大流行していたそうです。なお、当時は「コックリさん」ではなく、「コックリ様」とよばれていたそうです。

また、『西洋奇術 狐狗狸怪談』の21年後に出版された『驚神的大魔術』(古屋鉄石:著、精神研究会:1908年刊)という本の挿絵には、日本の住宅事情に合わせて小型化された器具を使ってコックリさんをする男女が描かれています。

小型化されたコックリさんの器具

【日本の住宅事情に合わせて小型化されたコックリさんの器具】 (画像は、『驚神的大魔術』より)

したがって、文字が書かれた紙と10円玉を使う現在のやり方は、当時の人が見たらコックリさんとは認識できないくらい変化していることになりますね。

ところで、「狐狗狸」という漢字から連想して、コックリさんで呼び出す霊は動物霊だと思っている人がいるかもしれませんが、アメリカの交霊術が伝来してコックリさんになったことから、基本的にコックリさんは人霊を対象とした交霊術だと考えられます。

ただし、仮にコックリさんの手法が交霊に適しているとしても、普通の人間がいきなり交霊術を駆使できるとは考えにくいので、コックリさんで交霊に成功する確率はかなり低いと思われます。

実際、『西洋奇術 狐狗狸怪談』の著者は、コックリさんは心理学や物理学で説明できる現象であって、心霊現象ではないと考えていました。

『驚神的大魔術』の著者も、翌日の天気や火事の有無を尋ねたところ、これがよく当たったと書いているので、不思議な現象であることは認めていたようですが、心霊現象ではなく、人格変換(催眠術などで人が別人格に変わるのと似た現象)によるものと推測しています。

また、仮に交霊に成功する場合があったとしても、霊は自分に似た者に引き寄せられるので、呼び出せる霊もせいぜいコックリさんの参加者と同じレベルでしょう。執着の強い人がやれば、執着の強い霊を引き寄せてしまう危険があることを覚悟する必要があります。

したがって、私はコックリさんをお薦めしませんが、もしどうしても自己責任でやりたい場合は、最悪の場合に備えて、まずは自分の霊格を高めるよう日々努力し、霊障を受けにくい体質に自己を変革すべきでしょう。

その方法は種々ありますが、例えば、忠(皇室に忠義をつくす)、孝(親に孝行をする)、敬神(神を敬う)、崇祖(祖先を崇める)の「四大道」を実践するのはいかがでしょうか? (詳しくは、ブログ「がんに克つ」の「霊障と霊感商法」を参照してください)

さらに、心霊現象と称するものの大部分は人間の錯誤か捏造によるものですから、真実を見極める能力も養う必要がありそうです。また、他の参加者にからかわれる可能性もありますから、参加者を冷静に観察するとともに、参加者が知りえない質問を用意することなどにも注意すべきでしょう。 (2013年11月13日)


 

  15.机廻し(Table Turning)


前回、コックリさんは心霊現象ではないという説をご紹介しましたが、では、本当の心霊現象とはどのようなものなのでしょうか? 『心霊の現象』(平井金三:著、警醒社:1909年刊)という本に、コックリさんの原型である、机廻し(Table Turning)の実験の様子が描かれているのでご紹介しましょう。

この本の著者は、アメリカ在住の際、心霊現象研究協会(The Society for Psychical Research)のアメリカ支部に入会して、毎週心霊現象の実験に参加していたそうで、心霊現象には詳しかったようです。また、机廻しの実験は、日本に帰国後、6回行なって2回成功したそうです。(成功したのは、第4回目と第5回目)

第4回目の机廻しの実験が行なわれたのは1908年(明治41年)9月21日の夜で、3か所に分かれて実験を行なったところ、着座から30分も経たないうちに、1か所の机が非常な響きと勢いで一方に突進し、回転した後、脚を上げたそうです。またこのとき、もう1か所の机も同様に動き始めたそうです。

第5回目の実験が行なわれたのは同年10月19日の夜で、2か所に分かれて実験を行なったところ、着座から5分後に机が動き出したので、2脚上げ、3脚上げ、回転等を命じたところ、そのとおりに動いたそうです。なお、この回は、机が倒れるくらい脚が高く上がったそうです。また、別室の机も、同様に激しく動いたそうです。

机廻し

【コックリさんの原型、机廻し(Table Turning)の実験の様子】 (画像は、『心霊の現象』より)

机廻しは、初期のコックリさんと同様、両手をテーブルの上にのせて行ないますが、図を見る限り、長方形の重そうな机を使用しているため、これが傾いたり回転したりすることは容易ではないでしょう。したがって、机の動きが人間の作為によるものかどうかの判別は簡単だと思われます。

これに対して前回ご紹介したコックリさんの器具は、元々不安定で動きやすいため、たとえ動いたとしても、それが本物の心霊現象なのか、それとも単なる参加者の心理状態の反映なのか判断が難しいところです。同じことは、現代のコックリさんについても言えると思います。もしそれが本物の心霊現象だったら、10円玉に触らなくても、勝手に10円玉が動きだすかもしれませんね。 (2013年11月20日)


 

  16.ダウジング


心霊現象を科学的に検証したい人にお薦めしたいのが、『変態心理学講義録 第二篇 心霊学講義』(小熊虎之助:著、日本変態心理学会:1921年刊)という本です。著者は、エネルギー保存の法則から精神エネルギーは認められないという立場をとっており、心霊現象を心理学の視点から分析しています。

もっとも、「長期の絶食者」が存在する時点で、エネルギー保存の法則は成り立っていないような気もしますが、いずれにしても、著者の客観的かつ論理的な姿勢には好感が持てますし、著者が指摘しているように、過去の心霊現象に多くの詐欺的行為があったことは、心霊現象の探究者なら知っておくべきことでしょう。

ところで、心霊現象に厳しいこの著者が、不思議なことではないと紹介しているのがダウジングです。

ダウジング(Dowsing)とは、手の無意識的な動きを木の棒などで拡大して、鉱脈や水脈などを探索する技術で、拡大する手段として、昔は二叉の木の枝(Y rods)が使われていましたが、現代では、直角に折れ曲がった2本の金属の棒(L rods)や、振子(Pendulum)を使う人が多いようです。

ダウジング

【二叉の木の枝を使ったダウジング】(画像は、「YouTube動画 Dowsing Tools - Y-Rods」より)

『心霊学講義』によると、イギリスでは、ダウジングを商売にしている専門家がいて、以前に専門の学者が調査してまったく失敗している場所で、非常に容易にその水源を探しあてたという報告がたくさんあるそうです。

また、フランスでは、ヂアック・アイマールというダウジングの専門家が、リオンからトゥーロンまで、2人の犯罪者の足跡をたどって警官を案内したという話もあるそうです。

こういった事実は、我々にはとても不思議に思われますが、著者の主張によると、狭い経験や理屈だけで考えるよりも、ぼんやりとしているが、しかし、永年の経験から出てきている何となく感じられる気持ちとか感じとか気分などの方が、かえって正確だったり優れていたりするのだそうです。

そして、そういった感覚は、無意識的な筋肉の運動を引き起こすので、これを木の棒や振子などの動きとして検知するダウジングは不思議なことではないと断定しているのです。著者によると、以前ご紹介した初期のコックリさんも、ダウジングと同じ原理によるものだそうです。

欧米では、現代でもダウジングが盛んに行なわれていて、ダウジングの名人も存在するようです。YouTubeには、砂漠で水脈を発見したダウジングの名人のニュースがあったのでご紹介しましょう。

ダウジングの名人

【ダウジングの名人】(画像は、「YouTube動画 Water Dowsing Expert Jack Coel Proves Skill」より)

このニュースによると、アメリカ合衆国ネバダ州の北西部にあるリノ(Reno)という都市から北東に50マイル(約80km)以上離れた場所に砂漠地帯(Granite Springs Valley)があって、そこで、ジャック・コーエル(Mr. Jack Coel)という人がダウジングによって水脈を発見したので試掘したところ、毎分5,000ガロン(約18,900リットル)の水が噴出する井戸を掘りあてたのだそうです。

また、彼のホームページを見ると、彼はダウジングによって、水脈の深さや水量、水質までも感知できるそうです。こうなると、やはり不思議としか言いようがないですね。

なお、ダウジングは誰にでもできるかというと、そうでもないようです。私も以前、ダウジングに興味があって毎日練習していたのですが、ある日、財布の入ったバッグを紛失したことがあって、自分のダウジング技術を検証するちょうどいい機会だと思ったのですが、結局私のダウジングは何の役にも立ちませんでした。

理論的には、自分の潜在意識はバッグを紛失した場所を記憶しているはずなのですが、やはりダウジングの名人が存在するということは、その逆に、ダウジングの才能がない人もいるということで、私もその一人だったようです。 (2013年11月30日)


 

  17.ウィジャ盤


現代のコックリさんの原型と思われるのが、ウィジャ盤(Ouija board)です。『最新知識 子供の聞きたがる話 珍談奇談の巻』(原田三夫:著、誠文堂:1922年刊)という本に、ウィジャ盤のことが載っているのでご紹介しましょう。なお、著者の原田三夫さんは、1890年(明治23年)生まれの科学ジャーナリストだそうです。

ウィジャ盤      ウィジャ盤は、左の図のように、AからZまでのアルファベットと、アラビア数字と、「YES」、「NO]、「GOOD-BY」を書いた滑らかな板で、この板の上に、ハート形の3本足の小机をのせて使ったそうです。

ウィジャ盤は3人以上で遊ぶのが基本で、遊び方は、

1.2人がウィジャ盤を膝の上にのせ、腕を自由に動くようにして、手を小机の上に軽くのせる。

2.次に、目をつぶって、心の中からすべての考えをとり去る。

3.しばらくたってから、そばにいる人が、伺うべきことを申し上げる。

というもので、こうすると、小机の上に置いた手は自然に動き出し、小机の先が文字や数字を指し示すので、そばにいる人がそれを読み取るわけです。

著者は、ウィジャ盤について、「私の子供のときには、東京でも大分流行したやうに思ふ・・・」と書いているので、ウィジャ盤は、コックリさんより少し遅れて、1900年前後に日本で流行したようです。

なお、当時の日本人は、「ABC」を「いろは」に替えたウィジャ盤を自作し、遊んでいたようです。

下の図は、ウィジャ盤で遊ぶ人たちの様子ですが、やはり目をつぶって遊んでいるようです。現代のコックリさんも原理は同じはずなので、目を閉じた方がうまくいくのかもしれませんね。

ウィジャ盤で遊ぶ人たち

【ウィジャ盤で遊ぶ人たち】 (画像は、『最新知識 子供の聞きたがる話 珍談奇談の巻』より)

また、この本によると、アメリカのセントルイスに住むカーランという女性は、ウィジャ盤に向かって瞑目すると、いろいろと面白い昔の話を書いたり、古い言葉を使って立派な詩を書いたそうで、初期のコックリさんとは違って、かなり高度な文章を創作することもできたようです。

なお、この遊びをする際には、周囲にいる人も含めて、皆、真面目になっていないとだめだそうで、馬鹿にしたり冷やかしたりするとうまくいかないそうです。

ところで、実はウィジャ盤にも原型があり、『男女運命予知術』(古屋鉄石:著、博士書院:1909年刊)という本によると、それは、プランシェット(Planchette)という、1860年にアメリカで作られた玩具のようです。

プランシェット      プランシェットとは、フランス語で「小さな板」という意味で、左の図のようなハート形の板のことです。(画像は、『男女運命予知術』より)

つまり、これはウィジャ盤の小机と本質的に同じものです。

ただし、この板の2か所にはキャスターがついていて、先端には、鉛筆を取りつける穴があって、鉛筆はバネで固定できるようになっていたそうです。

プランシェットは、男女2人で遊ぶのが基本だそうです。(上のウィジャ盤の図でも、男女2人で遊んでいますが、どうやらこれが重要なようです。)

使い方は、プランシェットを紙の上に置き、両手をこの板の上にのせ、口または心の中で質問すると、プランシェットは勝手に動き出し、答えが自動的に紙に書かれるというものです。

この本によると、プランシェットの模造品が、東京だけでなく地方でも売られていたそうで、20世紀の初期には日本でも流行していたようです。

著者の実験によると、このプランシェットにお金や異性のこと(例えば、自分が将来結婚する相手が美人かどうかとか、持参金があるかどうかといったこと)を尋ねると、比較的よく的中したそうで、これが、プランシェットが流行した最大の理由かもしれません。

また、この本にはウィジャ盤のことも載っているのですが、さすがに著者はよく研究していて、明日の天気を知りたければ、ウィジャ盤の代わりに、白紙の四隅に「晴、風、雨、曇」と書いたものを用意し、その上にプランシェット(または小机)を置いて質問し、それが指し示す文字を読み取ればよいと書いています。

つまり、大事なのは形式ではなく、自分が何を知りたいかということで、そのために最適な用紙を自分で作って遊べばよいということです。また、開始や終了の際に呪文を唱える必要もないようです。

そして、この本の著者も、プランシェットやウィジャ盤で遊ぶ際には、無念無想になることが大切であると強調し、遊ぶ本人たちだけでなく周囲の人も、疑いの気持ちがあってはいけないと注意しています。

現代のコックリさんも、本当は「コックリさん、おいでください」などと言う必要はないのでしょう。それよりも、男女がペアになってやることや、目を閉じて心を静めることの方が重要なようです。あとは、周囲の人も含めて真面目にやれば、的中率がアップするかもしれませんね。 (2014年1月13日)


 

  18.天狗(てんぐ)


天狗については、以前「日本の霊性−9.神界の仕組み」で、「青空文庫」というサイトに掲載されている『霊界通信 小桜姫物語』(1937年刊)という本の記事をご紹介しましたが、それによると、天狗には両親というものがなく、全部中性で、男性的な天狗と女性的な天狗が存在するということでした。

そして、天狗は世界中に存在しているものの、日本は古来より尚武の気性に富んだ国であるため、男性的な天狗はほとんど全部日本に集まってしまい、女性的な天狗は大部分外国の方へ行っているそうです。ちなみに、西洋の天使は、高級な自然霊(竜神)を指している場合もありますが、女性的な天狗が目撃される場合も多いそうです。

また、中国の資料を基に作られた、昔の百科辞典とも言うべき『和漢三才図会』の「巻之7 異国人物、外夷人物」(寺島良安:編、内藤書屋:1890年刊)には、翼をもった「羽民(うみん)」の図が載っていますが、ひょっとするとこれは、外国で目撃された天狗なのかもしれませんね。

羽民

【羽民(うみん)】 (画像は、『和漢三才図会 巻之7 異国人物、外夷人物』より)

なお、日本には山伏や修行僧が天狗になったという伝承が各地に存在しますが、これは厳密には天狗ではなく、山人(さんじん)というもので、以前ご紹介した『異境備忘録』によると、天狗界とは別に山人界が存在するそうです。山人は、修行によって特殊能力を身につけた人間ですが、中国の仙人とは異なるようです。

ところで、「日本の霊性−5.神憑り」で、神が人間に憑依するお話をご紹介しましたが、天狗もまた人間に憑依するようです。『古文献に拠る日本に於ける精神病の特質及標型の樹立』(栗原清一:著、金原商店:1933年刊)という本に、古文書に記載された憑依の事例を分類しているのでご紹介しましょう。

それによると、日本には古くから、天狗憑依症、狐憑依症、人狐憑依症、馬憑依症、外道(犬神)憑依症、疫邪憑依症、餓鬼憑依症など、数多くの憑依現象が存在したそうです。(もちろん、著者はこれらを精神病として分類しています)

このうち、天狗憑依症では、顔が天狗のような容貌に変化する(顔が赤くなり、鼻が伸び、口が裂けたように大きく広がる、等)のが特徴だそうです。また、跳躍したり、叫んだり、狂ったように騒いだりする発作を起こし、疲労のため死亡することもあるそうです。

この本にも、天狗憑依症の事例が載っているのですが、時代的に非常に古く、やや信憑性に問題があると思われるので、別の本にあった明治時代の事例をご紹介しましょう。

『幽冥界研究資料第二巻 靈怪談淵』(岡田建文:著、天行居:1926年刊)という本には、明治24年の秋に、丹波國北桑田郡宇津村大字下宇津(現在の京都府京都市右京区京北下宇津町)に住む湯浅喜之助氏の身辺に起こった怪異を、婿養子の齋次郎氏が語った話が収録されています。

それによると、喜之助氏が所有する山に、古くから天狗が居るといわれていた大きな松の木があったのですが、喜之助氏はその山を手放すことにし、弟の小三郎氏に名義を替え、小三郎氏はその松の木を村の大工に売り渡してしまいました。

大工は良材が手に入ったことを喜び、手伝いの者4人とともに松の木を切ろうと斧を振り上げたところ、空中から「待てい」と威厳のある太い声がしたので、斧をおろして耳を澄ますと、再び空中から「俺はこの松を宿としている者だが、他に棲家を探すからしばらく待て」と声がしたそうです。

しかし、大工は構わず斧を振り上げたところ、急にめまいがして、手にしていた斧や他の工具類が一切消えてしまったそうです。そこでやめておけばよかったのでしょうが、大工は自宅に戻って工具を揃えて再び山へ行き、結局その松の木を切り倒してしまったそうです。

そして、大工が作業を終えて帰宅し、風呂に入ろうと裸になったときに事件は起きました。彼は突然発狂状態となり、家を飛び出していったのです。すぐに近隣の人々が徹夜で捜索したところ、翌日になって山小屋で倒れている大工を発見し、自宅に連れ帰ったのですが、発狂状態は治らず、後日、彼は自殺してしまったそうです。

これは、容貌に変化はないものの、事件の経緯や発作の状況から、天狗が憑依したと思われる事例で、どうやら、居住権を無視された天狗が仕返しをしたようです。天狗といえば、人をさらうことで有名ですが、人に憑依することもあるというのは意外ですね。

なお、『霊界通信 小桜姫物語』によると、天狗は、人間に憑って小手先きの仕事をするのが何より得意だそうですから、ひょっとすると、天狗による憑依現象は日常的に起きていて、我々が気づいていないだけなのかもしれませんね。 (2014年2月2日)


 

 19.憑依する狐と狸


前回は、天狗が憑依するお話をご紹介したので、今回は狐(きつね)と狸(たぬき)が憑依するお話をご紹介しましょう。

かつて、明治の初め頃までは、人里にも狐や狸が多く住んでいて、家の周りを彼らが走り回ることも珍しくなかったそうです。そのためか、日本には、狐や狸にばかされたという昔話がいたるところにあります。

しかし、ばかされるだけなら笑い話で終わりますが、憑依されると事態は深刻で、憑いた狐や狸を落とすため、家族が憑依された人間に虐待を加えた結果、殺人事件に発展するということもあったそうです。

まずは狐ですが、『異態習俗考』(金城朝永:著、六文館:1933年刊)という本によると、「おとら狐」という有名な狐が、どうやら戦国時代の頃から、三河(現在の愛知県東部)を中心に数多くの憑依現象を引き起こしていたそうです。

この狐は、多くの場合、病気の人間に憑依するのですが、憑かれた病人は大抵死んでしまい、そうするとまた別の病人に憑依するということを繰り返したそうです。ただし、この狐が病人を殺すのではなく、寿命が尽きた者を無理に活かしているため、狐が離れると死ぬのだという説もあるそうです。

この狐が病人に憑依すると、最初はおとなしくしているのですが、そのうち台所の食べ物が頻繁になくなったり、病人の食事の量が急に増え、また、好みが今までと変わってくるので、やがて家族に「おとら狐」だと見破られることになるそうです。

ある70歳過ぎの老人の場合は、生魚に歯のない口でかじりつき、魚の頭から骨まで何一つ残さず、バリバリと音を立てて食べてしまったという話が伝わっているそうです。

なお、憑依したものがなぜ「おとら狐」だと分かるかというと、この狐に憑依された病人は、絶えず左目から目やにを出し、左脚が痛むからだそうです。これは、「おとら狐」自身が語ったところによると、戦国時代に、同じ部位に傷を負ったことがあるためだそうです。

この狐を落とすには、修験者を招いて祈祷してもらうのが一般的だったそうですが、それでも落ちない場合は、遠州(現在の静岡県西部)秋葉山の奥の「山住様」(犬の神様)をお招きすれば必ず落ちると言われていたそうです。ただし、多くの場合、狐が落ちるとともに病人は死んだそうです。

次は狸ですが、『活ける怪談 死霊生霊』(寺沢鎮:著、若松書院:1920年刊)という本には、新聞記者の著者が取材現場で目撃した狸憑きの実話が収録されているのでご紹介しましょう。なお、この話は、1916年(大正5年)1月14日から4日間にわたって名古屋新聞に掲載されたそうです。

それによると、愛知県名古屋市中区日の出町5丁目62番地の高和屋という宿屋で、主人(46歳)とその妻(35歳)、および、6歳、4歳、2歳の3人の子どもの計5人が、「常次郎」と名乗る狸に憑かれたそうです。

始まりは、1915年10月18日のことで、妻が変な手つきをして、自分は狸で、この家の主人を殺しに来たとしゃべりだしたのだそうです。しかも、その後、狸は主人にも憑くようになり、夫婦の間を1日に数回移動するようになってしまったそうです。

世間には、煙で燻(いぶ)すと狐や狸が落ちるという迷信がありますが、この主人もそれを知っていたようで、狸が妻に移動した隙に、主人が唐辛子を火鉢にくべて、その煙で妻を燻したところ、今度は狸が子どもにも憑くようになり、2歳の子どもまでが、狸が憑くと寝床から飛び上がるという事態に陥ってしまったのだそうです。

とうとう家族全員が狸憑きになったため、これが大評判となり、ついに鯉江(こいえ)という名の行者がその治療をすることになり、その現場を著者が取材することになったそうです。

その家族は、著者が見たところ、いたって普通だったそうですが、親戚の人が、「オイ常次郎、ちょっと出てこぬか」と声を掛けたところ、妻は見る見るうちに身を震わせ始め、フーフーと息を荒くし、目を閉じて、

「ふーじーみーまちーの××に頼ーまーれてこの家の主人を殺しに来た」

とやや低い力の入った声でしゃべりだしたそうです。その後、こちらが質問すると、それに対して狸が答えるということが1時間半ほど続き、そうこうしているところへ行者が到着したそうです。

行者は、妻に憑いた狸をよく観察した後、狸に対して大いに説法をし、最後に、直ちに退散すれば望みをかなえてやるが、退散しないなら地獄の底に落とすと脅したところ、狸は、自分を祀ってくれれば退散すると答えたので、行者が経文を唱えて気合とともに右手を振りおろすと、妻はやっと正気に戻ったそうです。

その後、行者が「常次郎大明神」と書いた紙をお社塔に収め、その場にいた人達と祭事を行ない、その日は終わりましたが、翌朝、妻が再び発作を起こしたため、行者が前夜と同じ処置を施した結果、それ以降、この家族は狸に悩まされることはなくなったそうです。

なお、この行者によると、本来、狐や狸には人間に憑依する力はなく、実は不健全な人間の心が狐や狸を引き寄せるのだそうです。彼は、「人間の身体は心が本で身が末であるから、一切の病気は心から発する。」とも語っていますが、この言葉は大いに味わうべきものではないでしょうか。

この『活ける怪談 死霊生霊』には、他にも興味深い霊障の実話が載っていて、人生を送る上で大いに参考になると思いますので、この本を近代デジタルライブラリーでお読みになることをお薦めします。 (2014年2月16日)


 

 20.犬神(いぬがみ)


我々の身近な動物である犬や猫についても、不思議な話が数多く伝わっていますが、特に興味深いのが「犬神」とよばれる存在です。

実は、犬神には2種類あって、1つは、人間のために忠義を尽くした犬や、逆に祟りをなした霊力の強い犬を神として祀ったものですが、これは人間に憑依することはないようです。

なお、前回ご紹介した「山住様」は、犬の神様といっても犬を祀っていたわけではなく、祭神は「日本の霊性−12.迦毛大御神」でご紹介した大山積神(おおやまづみのかみ)のようです。そして、この神の使いが犬なので「犬の神様」とよばれ、狐を落とす霊験があると信じられていたようです。

もう1つの犬神は、四国の阿波(現在の徳島県)や土佐(現在の高知県)において、犬神持ちとよばれる家筋の人々が使役する霊獣で、主人が嫌う人間に憑依して苦しめたり、主人が欲しいと思った品物を盗んでくると考えられていたそうです。

ただし、これは中世の魔女狩りと同様、根拠のない言いがかりの場合も多かったようで、前回ご紹介した『異態習俗考』には、差別に耐えかねて訴訟騒ぎになった事件が紹介されています。

この後者の犬神については、憑依された人の様子が、『迷信と妄想』(森田正馬:著、実業之日本社:1928年刊)という本に詳しく書かれているのでご紹介しましょう。この本の著者は、高知県出身の医学博士で、後に慈恵医大教授となった精神病の専門家です。

なお、著者が診察した憑依病者の内訳は、犬神憑きが女24名、男3名と最も多く、次いで、狸憑きが女9名、男2名、死霊憑きが女8名などとなっています。もちろん、著者は犬神などは迷信であると断じているのですが、そのため、かえって資料的価値の高い文献となっています。

『迷信と妄想』によると、犬神憑きの症状はよくしゃべることで、しかも自分ではそれを制御できなくなることだそうです。しゃべる内容は予言が多いそうですが、酒や食べ物を要求したり、犬が吠えるような声を出したりすることもあるそうです。また、家の外に駆けだしたり、痙攣性の吸気・失笑を伴うことも特徴だそうです。

また、患者によっては、犬神が体内を移動する感覚があったり、突然、身体の様々な場所に饅頭(まんじゅう)ぐらいの大きさの腫脹(しゅちょう=はれもの)ができて、たちまち消失するということがあるそうです。

さらに、犬神憑きの症状が伝染することもあるようです。ある患者(女性)は、体調不良が続いたため祈祷を受けたところ犬神憑きとなったのですが、続いて近隣の4軒で各世帯の女性が1名づつ犬神憑きとなり、彼女と同一のことを口走るようになったそうです。ちなみに、彼女の部落6世帯のうちの1軒が犬神持ちだったそうです。

なお、真言宗の僧侶が祈祷している最中に、著者が犬神憑きの患者と対話をした例があるのですが、名前を尋ねると人間の名前を名乗っているので、仮に憑依が本物だったとしても、この場合は動物によるものではなかったようです。ひょっとすると、この土地の習慣として、心身の異状を犬神憑きのせいにする傾向があったのかもしれません。

また、これは余談ですが、面白いことに、土佐には昔、「柴右衛門」という力の強い狸がいて、狐を土佐から追い出してしまったため、高知県には狐憑きが少ないそうです。実際、著者の患者にも、狐憑きは1名しかいなかったそうです。

犬神は、犬とは無関係だという説もあるようで、その実態は不明ですが、犬神持ちとよばれる家筋は現在も存在するようです。また、似たような話として、クダ狐、ヲサキ狐、人狐(にんこ)、トウビョウ(蛇)などが知られており、名称は異なるものの、何らかの霊獣を使役する人々が過去に実在したことは間違いないようです。

なお、現在憑きものでお困りの方がおられましたら、まずはご自分の心と行ないを正すことが第一だと思いますが、神社でお祓いを受けることも有効なようで、実際、憑きもの落としに霊験のある神社が存在するようです。

例えば、賢見(けんみ)神社は、犬神やその他の憑きものを祓うことで有名で、山奥の非常に不便な場所(徳島県三好市山城町寺野112)にあるのですが、現在でも篤く信仰されていて、参拝者が絶えないそうです。よかったら参考にしてください。

賢見神社

【犬神を祓うことで有名な賢見神社】(画像は、「YouTube動画 20130712北野誠ニコニコ生放送」より)

ちなみに、このYouTube動画には、タレントの北野誠さんが、犬神持ちの末裔の女性と会った際に不可解なことが起きたため、この賢見神社にお祓いに行ったエピソードが語られています。

ところで、「狗」という漢字は犬という意味ですが、「狐狗狸さん」の「狗」については、天狗という説と、犬という説の両方があるようです。まあ、どうでもいいことですが、皆さんはどちらだと思われますか? (2014年2月20日)


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